日本最大級の自動車関連技術展示会「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2016横浜」(主催=公益社団法人 自動車技術会)が、5月25~27日に、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された。国内外から自動車関連の最新技術や製品が集まり、最先端技術を披露。前年と並び過去最多の538社・団体が出展し、来場者数は3日間で8万7375人にも上った。

img

 同展は、92年から始まり25回目。国内の自動車メーカーや、国内外の自動車部品や材料メーカーなどが出展した。14年以来の名古屋地区同年開催で「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2016名古屋」は、6月29日~7月1日にポートメッセなごやで開催される。

カーメーカーは実車や技術を披露

 カーメーカーは、最新技術採用車や、次世代の技術を披露した。

 トヨタ自動車は、昨年11月に発売した新型プリウスのカットモデルや、同車搭載の1.8㍑直列4気筒ガソリンエンジン、リチウムイオン電池を披露。先進安全や運転支援関連技術の映像やパネルも展示した。
 日産自動車は、電気自動車のリーフを展示。同車搭載のバッテリーモジュールなども披露した。自動運転実験車両「ニッサン インテリジェント ドライビング プロトタイプカー」や先進安全装備の紹介も行った。

img

img


 本田技研工業は、3月発売の燃料電池車・CLARITY FUEL CELLのカットモデルを出展。再生可能エネルギーで水素を作る「スマート水素ステーション」や、外部給電器「Power Exporter 9000」の紹介も行った。
 富士重工業は、WRX S4を展示し、同車のハンドリングを支える「シンメトリカルAWD」やサスペンションを床下カメラで見ることができた。衝突被害軽減ブレーキ「アイサイト」の解説パネルも展示された。

img

img

 マツダは、CX-3や同車搭載のディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」をなど展示。先進安全技術「i-ACTIVSENSE」を、解説パネルやミリ波レーダーなどの実物を用いて紹介した。

img

 ダイハツ工業は、昨年9月発売のキャストやコペン、直列3気筒軽自動車用エンジン「KF型」などを展示。デザインやパーツの変更で多彩な色を楽しめる「DRESS- FORMATION」も提示した。
 スズキは、ハイブリッドシステムや0.8㍑2気筒ディーゼルエンジン「DDiS」などを展示した。
 いすゞ自動車は、「6UZ1-TCS」など4基のエンジンなどを出品。商用車テレマティクスの「MIMAMORI」も披露した。
 日野自動車は、小型トラック「デュトロ」を展示。大型専用のディーゼルエンジン「A09C」と中型車用の「J08E」も紹介した。
 UDトラックスは、エンジン「GH11」や電子制御式トランスミッション「ESCOT-V」などを展示した。

部品メーカーは最新技術を紹介

 アイシン精機などアイシングループは、6社で共同出展。新型プリウスに搭載されたトランスミッションや、ドライバーモニタシステムなどの自動運転関連技術などを披露した。

img


 HKTは、冷却水電や高圧燃料などの電磁弁や、グロープラグ、エアホーンなどを展示。雪・泥・水に対応したワイパーブレードも披露した。
 澤久工業は、多彩なホースクランプを展示。アイディール-トライドンやミカロールなど主要ホースクランプメーカーの製品を出品した。
 日発販売など日本発条グループ4社は、共同でブース出展。懸架バネのラインアップやバルブスプリング、スタビライザなどを展示した。
 日本特殊陶業は、スパークプラグやセンサを展示。ターボ用高着火プラグや水素漏れ検知センサ、NOxセンサなどを出品した。

img


 日立オートモティブシステムズは、電動パワートレインシステムや先進運転支援システムなどを紹介。クラリオン製のHMIシステムの体感コーナーも設置された。
 ボッシュは、パワートレインとモビリティの電動化とモビリティの自動化、モビリティのネットワーク化の3ゾーンでブースを展開。運転支援システムを展示した。

img


 エクセディは、新乾式クラッチフェーシングや踏力低減クラッチなどを展示。CO2削減や省燃費に対応し軽量化した製品を紹介した。
 NTNは、インホイールモータシステムや電動のモータとアクチュエータを出展。自動運転や低燃費対応の電動モジュールも披露した。
 ジェイテクトは、ラックパラレルタイプ電動パワステなどのステアリングシステムや、等速ジョイントなどの軸受け製品を展示した。
 ターボテクノサービスは、ターボチャージャーを多数展示。乗用車用や輸入車用、バス用、トラック用、建機用を出展した。
 日本ピストンリングは、カムシャフトやバルブシート、ピストンリングなどを展示。高効率エンジンに対応した技術もアピールした。
 矢崎総業は「つなぐ技術」をテーマに、車内と人、くらしの3ゾーンに分けてブースを展開。情報整理システムの「EEDDS」も紹介した。

出展社ブース以外も充実

img

 特別企画展示は「我々をワクワク、ドキドキさせた技術の今昔」をテーマに、自動車の足跡を当時の写真と実車で振り返った。

img

 47年に登場した日産のたま電気自動車から始まり、65年のトヨタ・スポーツ800、79年の日産・5代目セドリック、97年のトヨタ・初代プリウス、14年のトヨタ・MIRAIを展示。67年登場のトヨタ・2000GT搭載のアイシン精機製乗用車用マニュアルトランスミッションや、14年発売の日産・スカイラインで採用されたKYBのダイレクト・アダプティブ・ステアリングなどの部品技術も出品された。
 展示以外でも14のフォーラムや96セッション・445公演の学術講演会プログラムを開催。電気自動車技術と自動車用パワーエレクトロニクスの国際会議「EVTeC&APE Japan2016」も併催された。
 屋外では、最新技術搭載車の試乗会を実施。16年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したマツダのロードスターやホンダのCLARITY FUEL CELLなど12種が対象で、一般公道を約20分間運転できた。その他、超小型モビリティの試乗も行われた。

img

img


一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA