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 「第13回国際オートアフターマーケットEXPO(IAAE)2015」が3月11日から13日まで開催され、来場者は3万人を超えた。今回は約180社350小間が出展したが、なかでも最も注目され、賑わいを見せたのは「優良部品コーナー」だった。ホールに現れた一大優良部品エリアには、向かいのブロードリーフのブースとはさみ、多くの人が行きかう“優良部品ストリート”が出現した。


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◆優良部品が一堂に

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 優良部品コーナーではエンパイヤ自動車、大和産業、日発販売、SPK、辰巳屋興業、明治産業の卸商社6社がそれぞれのPBや、仕入れ先の主力商品を展示した。優良部品メーカー自らの出展と合わせると50社近い部品メーカーの主力アイテムが並んだ。

 優良部品をまとめて大きくPRするのは2006年からおよそ9年ぶり。千葉・幕張メッセで開催されていた第2回の03年から第5回の06年まで日本自動車部品協会(JAPA)が出展し、会員各社が扱う優良部品をアピールしていた。



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 しかしその後東京ビッグサイトに会場が移ったあたりから、商社や部品メーカーが数社出展するにとどまっていた。さらにリーマンショックの影響も受けてか、2009年からは優良部品の出展はほとんど見られなくなっていた。

 今回久しぶりに設けられた優良部品コーナーには、多くの整備業者が高い関心を持って訪れるなど盛況の様子を見せ、優良部品のPRの他にも、IAAEの来場者を誘導し、展示会の活性にも一役買ったようだ。

 出展した部品メーカーや卸商からは「普段なかなか聞けない整備現場の生の声が聞ける」、「補修部品の実物をこれほどたくさん一度に見られる機会はありがたい」など満足度は高く、「国内市場の活性化のためにはこうして実際に商品を見てもらう場がもっと必要ではないか」などの声が聞かれた。

 優良部品は市場での認知度はすでに高いとはいえ、整備業者は仕入れ先の部品商が持ってくるメーカーやブランドしか知らないことが多い。多くの優良部品を実際に見てもらうことで、より多くの優良部品の中から整備業者が自ら選んで、最終ユーザーに提案できるようになることが、各々のメリットにつながるのではないだろうか。


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◆カーウンセラー店舗を体感

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 優良部品コーナーの向かいにブロードリーフのブースが展開された。

 同社はアフターマーケットとカーオーナーとをつなぐワンストップサービスを提案。

 ブース内に同社が展開を進める「『街のカーウンセラー』のいるお店」を再現した体感エリアを設置した。来場者が「カーオーナーの立場で」(カーウンセラー店舗の)接客を体感することで、カーオーナーが何を求めているかといった気づきを促すことを狙った。

 体感エリアには、「街のカーウンセラー」店舗で実際に経営に関するアドバイス等を行っている選任のスーパーバイザーが常駐し、来場者からの質問や相談に対応した。

 街のカーウンセラー」に関心を持つ整備業者等が多く来場し、実際に会場で加盟を決めた業者もあった。



◆5年後のマーケットを予測

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 IAAEは多くのセミナーや実演でアフターマーケットに関する最新情報や業界動向を紹介している。 なかでも毎年、多くの聴講者を集め好評なのが「オートアフターマーケットサミット」。

 今回も全日本ロータス同友会会長の室谷眞一氏、BSサミット事業協同組合代表理事の磯部君男氏、オートアフターマーケット活性化連合代表の住野公一氏が「5年後の世界」をテーマに、2020年のアフターマーケットを予測するとともに、克服すべき課題を示し、今後の方向性についてパネルディスカッションを展開した。

 2020年の自動車販売はピークの777万台(1994年)から460万台まで落ちると予測。1990年以降は、車齢の高齢化に伴い車検対象台数が増加したため、何とかもってきたアフターマーケットだが、2020年には保有台数も減少し、市場規模は1991年(バブル崩壊時)のレベルに戻るとみられる。

 アフターマーケットの現状は、保有台数の拡大に伴い、分業化してきたアフターマーケットの業界構造が壊れ始めており、利益が取れる整備業に他業種がどんどん参入して、「総整備事業者時代」(トータルサービス化)に突入している。しかし皆、「トータルサービス化」への意識の切り替えができていないのではないかと危機感をあらわした。

 また2020年に確実に増えるのは「次世代車」と「高齢者」であり、安全装置の進化やパワートレインの多様化、軽量化など車も進化する。「燃費向上」と「自動運転」を特長として、これまでの車の概念とは全く違ったものが登場する。

 2020年は想像より早く到来する。今から新しいビジネスをデザインして着手しないと間に合わないと、早い対応をうながした。



◆多彩なセミナーが好評

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 行政関連セミナーとしては国土交通省が「自動車整備行政の現状と今後の取組み」として自動車整備に関わる行政の取組みや、自動車整備業界の現状、整備業の人材活用、自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン検討会についてなど、講演を行った。

 経済産業省は「自動車産業戦略2014」について概要を発表、自動車検査法人は自動車検査の現状と今後の方向性についてセミナーを実施した。


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 またM&A、事業承継に関するセミナーにも注目が集まった。合併について自整業ならではの問題点や実務に必要なこと、また合併してみてどうだったのかを、実際に合併に着手し、新しい会社としてスタートさせた株式会社トータルカーサービスジャパン代表取締役の杉原毅氏が話した。

 今回のIAAEは海外からの出展が増加し、前回の63社から79社に増えた。特に中国からの出展が増えたほか、イタリアやオーストラリアからの出展も見られた。

 期間中は海外出展者や海外バイヤーと国内の部品用品メーカーやバイヤーとのビジネス交流会も開かれ、国内からは部品卸商社や地域部品商などが参加、情報交換や新たなパートナーシップの開拓の場となった。



◆通信技術でつながるクルマ

 同時開催された「第6回国際自動車通信技術展」では「つながるクルマ」をテーマに、トヨタや富士重工、ホンダなど自動車メーカーが出展、東京ビッグサイトの屋上展示場に試乗スペースを設け、試乗会を実施した。

 富士重工はアイサイトのプリクラッシュブレーキ体験試乗を、またメルセデス・ベンツ日本は低速追従走行や車間距離維持の試乗体感、マツダはマツダコネクトの操作・ドライビングポジションなどを体感する試乗会を行った。

 トヨタはドライバーの視点で車両を透かした様な映像でクルマのまわりを見渡せるパノラミックビューモニターに追加された新機能シースルービュー搭載の車両を展示し、機能を紹介した。

 ホンダは車々間通信による人とクルマと社会をWi‐Fiでつないだ。

 また同展「次世代ナビサミット2015」と題して、無料化するカーナビ、自動車の進化とテレマティクスのつながり、スクリーンのこれからについて活発なパネルディスカッションを行った。