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 自動車業界の第一線で活躍する技術者や研究者のための自動車技術専門展で、日本最大級の規模を誇る自動車技術展「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2015」(主催=公益社団法人 自動車技術会)が、5月20〜22日の3日間、パシフィコ横浜で開催された。今回で24回目を迎えた同展は出展社が年々増加。今回は前年よりも47社増加し、過去最多の538社が出展。来場者数は3日間で8万6939人にも上った。

 国内外から自動車関連の最新技術や製品が集まり、最先端技術を披露。会場には自動車の関連メーカーや官公庁と民間研究機関の研究・技術者、大学や工業高等学校、専門学校の教職員や学生などが訪れた。


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◆自動車メーカーが最先端技術を披露

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 自動車メーカーはトヨタや日産など大手企業の大半が出展した。

 トヨタは14年12月に発売を開始した燃料電池車のMIRAIのカットモデルを展示。1.5㍑アトキンソン、1.2㍑ターボ、2.0㍑ターボの3種類のエンジンも披露した。

 日産は電気自動車のリーフをベースとした自動運転車「Autonomous Drive」の試作車両を展示。最新の「FF車用ハイブリッドシステム」や、リーフのパワートレインユニット、超小型電気自動車の「チョイモビ」の展示も行った。


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 ホンダは4月に発売されたステップワゴンを展示。3列目シートへの乗り降りや歩道側からの荷物の出し入れが可能なテールゲートの「わくわくゲート」の体感が可能だった。同種に搭載されている「1.5㍑VTEC TURBOエンジン」や先進安全運転支援システムの「Honda SENSING」も紹介された。

 三菱はアウトランダーPHEVのカットモデルを展示。採用されているフロントモーターやジェネレーター、トルクアクスル、フロントパワードライブユニットも披露された。

 富士重工はインプレッサ SPORTを展示。運転支援システム「アイサイト」のパネル解説も行った。

 マツダは5月に発売したロードスターを展示し、ルーフ開閉も体験できた。パワートレインも披露した。

 いすゞはエルフハイブリット車を展示。3.0㍑の「4JJ1-TCS」エンジンも披露された。

 ダイハツはムーブを展示。カットボディも展示し、軽量化の技術を紹介した。

 スズキはアルトターボRSを展示。「R06A」エンジンやオートギヤシフトも披露した。

 日野は大型専用のディーゼルエンジン「A09C」と中型車用の「J08E」の2基を紹介した。



◆進化し続ける部品メーカー

 部品メーカーもさまざまな会社が出展。最新技術や新製品を披露した。


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 日発販売など日本発条グループ4社は共同でブース出展。日発販売はリビルト品全般をパネルで説明し、オルタネーターなどを展示した。


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 アイシン精機をはじめとしたアイシングループ6社も共同で出展。なかでもアドヴィックスはドラムブレーキのパーキング機構を世界で初めて電動化した「ドラム一体式電動パーキングブレーキ」を披露した。駐車や出庫のアシストを行う最新の「駐車支援システム」や、燃料電池車向けの「エア制御バルブモジュール」も初めて紹介した。


 HKTは撥水コーティング対応でグラファイトやラバーコートを採用したワイパーや、エアホーン、グロープラグ、比例電磁弁、ラジエターキャップなどを展示した。

 澤久工業は自動車・建設機械のエアーインダクション、ヒーティング、クーリング、フューエルフィラー、ターボコネクションなどに使用される特殊なクランプなどを披露した。

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 住鉱潤滑剤はともに新発売の金型や成形品に付着した油脂・ワックス汚れに有効な洗浄剤「モールドクリーン480」や、プラスチック成形用ペインダブル離型剤「スミモールドPV/PV2」などを紹介した。

 日本特殊陶業はガソリンエンジンのダウンサイジング高過給ターボ特有の高放電電圧に対応した「ターボ用着火プラグ」や、燃料電池車の安全確保でポイントとなる「水素漏れ検知センサ」などを披露した。

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 日立オートモティブシステムズは、「ADASコントロールユニット」などの車両統合制御システムや、エンジンの効率を引き上げる高性能ICEエンジンシステム、モーターなどの電動パワートレインシステムを紹介。環境や安全、情報分野の製品を車両実寸大模型で展示した。


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 ボッシュは自動運転につながるアクティブセーフティシステムや電気化を効率的に行える48Vハイブリッドシステム、自動車空間のネットワーク化を強化する車載通信システムを紹介した。


 自動車メーカーや部品メーカー以外の材料やテスティング、CAEソリューション、カーエレクトロニクス、R&D・出版・団体などの出展社のブースも賑わっていた。



◆さまざまなイベントも開催

 出展社のブース以外で行われた特別企画展示のテーマは「多様化するエネルギーとくるま ~低炭素社会を拓くキーテクノロジー~」だった。トヨタのMIRAIやホンダの燃料電池パワートレイン、日産の電気自動車用リチウムイオンバッテリーや「LEAF to Home」電力供給システム、日立オートモティブの水素ディスペンサーなどが展示された。

 各企業による新製品・新技術セミナーも行われた。今回は64の企業や団体が、先端技術や将来のビジョンについて講演した。

 屋外では毎回好評を博している最新技術搭載車の試乗を今回も実施した。

 スズキのアルトターボRSやダイハツのコペンRobe/コペンXPLAY、トヨタのMIRAI、日産のe-NV200、ホンダのS660/STEP WGN/STEP WGN SPADA 、三菱のアウトランダーPHEVで会場周辺の公道約4㌔㍍をドライブすることができた。また、トヨタや日産の超小型モビリティや、燃料電池搭載のFCバスの試乗も行われた。