10月29日~11月8日の11日間、東京ビッグサイトで「第44回東京モーターショー」が開催された。ショーテーマは「きっと、あなたのココロが走り出す。」(“Your heart will race”)。国内すべての自動車メーカー14社15ブランドなど、世界11カ国から合計160社が参加。75台の車両と2点のユニット&カットボディが世界初出展され、68台の車両と5点のユニット&カットボディが日本初出展。合計417台の車両が出展された。入場者数は、81万2500人に上った。シンポジウムで日本自動車工業会が「自動運転ビジョン」を発表するなどさまざまなイベントも行われ、大いに盛り上がった。
「WHAT WOWS YOU?」がテーマ。 世界初出展は「S-FR」と「FCV PLUS」、「KIKAI」、「KIROBO MINI」。「S-FR」は、ライトウェイトスポーツのFR。「FCV PLUS」は、「エコカーからエネカーへ」がコンセプトのFCV。機械の精巧さや美しさなどの魅力を提案した「KIKAI」や、会話が可能な「KIROBO MINI」も披露された。
日本初出展は「TOYOTA New Global Architecture(TNGA)」を初採用し、JC08モード走行時40㌔㍍/㍑を目標値としている「プリウス」と、同じく「TNGA」を採用したコンパクトクロスオーバーHVの「C-HR Concept」。
レクサスブランドでは、初のFCV「LF-FC」も世界初披露した。
プレスカンファレンスでは、メジャーリーガーのイチロー選手がブースに登場し、同社の豊田章男社長と対談した。
「New SUBARU Story」をブーステーマに掲げた。
「インプレッサ ファイブドア コンセプト」と「ヴィジヴ フューチャー コンセプト」が世界初公開となった。
「インプレッサ ファイブドア コンセプト」は、次期「インプレッサ」のデザインをイメージした5ドアハッチバック。同社中期経営ビジョンの「際立とう2020」の第1弾モデル。
「ヴィジヴ フューチャー コンセプト」は、最新のハイブリッドシステムとダウンサイジングターボエンジンを搭載したSUV。AWDで電気モーターを採用している。エクステリアは「スバル×アクティブライフ」をデザインコンセプトとし、六角形グリルが特徴的。
「想いを超えろ。」がテーマだった。
ワールドプレミアは「CLARITY FUEL CELL」や「ODYSSEY HYBRID」など6車両。16年3月にリース販売開始予定のFCV「CLARITY FUEL CELL」は高出力モーター採用を採用し、一充填走行距離は700㌔㍍以上(JC08モード走行時、参考値)。市販車としては世界で初めて、セダンのボンネット内に燃料電池パワートレインを集約している。「ODYSSEY HYBRID」は、新パワーユニット採用の2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載。
ジャパンプレミアとなったスーパースポーツカー「NSX」は、新開発の直噴V6ツインターボエンジンや9速DCT 、3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。前輪を左右独立した2つのモーターで駆動させ、4輪の駆動力を自在に制御している。
出展テーマは「技術の日産が、人生を面白くする」。
世界初公開となったのは「IDS CONCEPT」と「TEATRO for DAYZ」。「IDS CONCEPT」は、同社が目指す自動運転コンセプト「ニッサン・インテリジェント・ドライビング」を実現。ドライバー操作の「マニュアルドライブモード」と、自動操縦の「パイロットドライブモード」の2モードを選択できる。「パイロットドライブモード」を選ぶと、ハンドルは格納されモニターやスクリーンが現れシートは少し向き合う仕組みになっている。
「TEATRO for DAYZ」は、次世代ユーザーに車の新価値を提案した未来の軽自動車EV。車内の真っ白なスクリーンにさまざまな映像が表示される。
日本では初出展となったスーパーカー「CONCEPT 2020 VISION GRAN TURISMO」も注目を集めていた。
「マツダは”走る喜び”の未来を切り開く」が出展テーマだった。
「RX-VISION」がワールドプレミア。同社の歴史を凝縮したスポーツカーで、次世代ロータリーエンジンの「SKYACTIVE-R」を搭載し圧倒的に低いボンネットと全高を実現している。
クロスオーバーの「越KOERU」を日本初公開。「魂動(こどう)」をデザインテーマとして、独自の存在感のあるエクステリアが特徴的。
出展テーマは「Driving Beyond SUVと電気の力で、一歩先へ」。
コンパクトSUVのEV「eX Concept」を世界初出展。航続距離400㌔㍍で、ツインモーター4WDをベースとする車両運動統合制御システム「S-AWC」で高い操縦性と安定性を発揮する。
「ダイナミックシールド」をコンセプトにデザインされた「アウトランダーPHEV」なども披露された。
2020年に創立100周年を迎える同社は、「SUZUKI NEXT 100」がテーマで、「マイティデッキ」や「エアトライザー」、「イグニス」などがワールドプレミア。
「マイティデッキ」は「遊びゴコロを忘れない人のアーバンアウトドア」がテーマで、新しい遊べる軽を提案。自動で昇降できるオープンデッキなどの機能を持つ。「エアトライザー」は、プライベートラウンジがコンセプトで広い室内空間が特徴。
「POSSIBLE! 明日の「できる」をダイハツと」が出展テーマ。
世界初公開は「テンポ」と「ノリオリ」、「ディーベース」、「ヒナタ」。
「テンポ」はFF車の特徴である室内空間の自由度をいかした、新ジャンルの移動販売車。「ノリオリ」は乗り降りに着目し、超低床フロアと大開口の2ウェイアクセルドアを装備している。「ディーベース」は、「e:Sテクノロジー」を進化させ内燃機関を追求した次世代の環境車。
コンセプトカー「Vision Tokyo」(写真右)が世界初出展。「F015Luxury in Motion」の流れを受け継ぐ未来志向のセダンで、自動運転が可能。室内はリビングルームのような快適な空間になっている。
日本初公開は、15年1月に世界初公開された「F015Luxury in Motion」や、「smart」の2人乗りの「fortwo」、4人乗りの「forfour」など。
世界初公開は「M4 GTS」と、「MINIクーパーコンバーチブル」。 「M4 GTS」はウォーター・インジェクションを導入し、最高出力500psの直列6気筒BMW Mツインパワー・ターボ・ユニットを搭載。「MINIクーパーコンバーチブル」は、フルオートマチック・ソフトトップを装着し、車外からのルーフオープンも可能になった。
日本初公開は旗艦車の7シリーズ「740Li」など5台。
「Golf Touran R line」や、「Golf Touran highline」、「Passat GTE」、「Tiguan」、「Tiguan GTE」など6台が日本初公開。3月のジュネーブモーターショーで初披露された「ゴルフ トゥーラン アールライン」は、横置きエンジン用モジュールセット「MQB」が採用されている。
WRCで3連覇を達成した「Polo WRC」の特別展示も行われた。
ジャパンプレミアは「prologue allroad」と「Q7 e-tron 2.0 TFSI quattro」などの6台。
コンセプトカーの「prologue allroad」は、フルタイム4WDと高い地上高でオールラウンドな走行性能を誇る。「Q7 e-tron 2.0 TFSI quattro」はPHVで、TFSIエンジンと電気モーターを併用すると航続距離は千㌔㍍を超える。
主催者テーマ事業の「SMART MOBILITY CITY2015」も開催された。2011年のから開催され、3回目となる。テーマは「もっと自由に…クルマが変わる、くらしが変わる、社会が変わる。」。エネルギーを選べる自由、情報やサービスを簡単・便利に利用できる自由など、さまざまな自由をもたらす自動車やくらし、社会を提案した。
テーマパーク型エキシビションとして「明日の街」を創出。ホンダや日産などの自動車メーカーや、日立オートモティブシステムズメジャメントといった周辺機器メーカーなど23の企業と団体が出展した。
主催者展示では駅をイメージして最新技術&システムを紹介するステーションコアや、研究所に見立てて最先端技術を披露するパーソナルモビリティ研究所、自動運転技術や次世代車の仕組みなどを紹介したクルマとICT&E研究所の3つを披露。
パーソナルモビリティ体験走行や超小型モビリティ体験走行のコースも設置。自動運転・高度運転支援システムのデモンストレーションも実施された。
SMC国際シンポジウムやSMCフォーラム、未来貢献プロジェクト、アドバンス・テクノロジー・セミナーなどのカンファレンスも開催された。