明治産業株式会社

 ◆明治百店会総会と謝恩懇親会開く

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 明治産業株式会社(竹内眞哉社長)は11月15日、東京・ホテルニューオータニで「明治百店会総会・創業85周年謝恩懇親会」を開催した。

 同社は1933年(昭和8年)に「合資会社明治商會」として創業。創業者の島村定義氏と松力男氏が明治生まれであることから社名を「明治商會」と名付けた。

そして、明治百年にあたる1967年(昭和42年)11月、同社および得意先と仕入先との共存共栄を目指し、情報交換や親睦、勉強の場とする「明治百店会」が発足した。

 現在の「明治百店会」の会員は、同社の得意先部品商104社、仕入先の部品メーカーなど賛助会員13社で構成されている。

 5年に一度総会を開いており、今回は第12回目となる総会が開かれた。

総会の冒頭、明治百店会の会長を務める竹内社長が挨拶に立ち「明治百店会が発足して約50年。その間、華やかに自動車産業は発展してきたが、最近はCASEと言われる自動車の大きな変化に伴い、補修市場も大きく様変わりしてきているのが現状」と述べ、「これからは物販だけでは済まない。部品の取り扱い方、取り付け方などを学んでいかなければならず、手間と時間をかける販売の仕方になる。この変化に対応するために、百店会の方々ともっと密に組んで商売をしていきたい」と、より一層の連携強化を求めた。

 また百店会会員を代表して、株式会社宮田自動車商会代表取締役社長の宮田祐市氏が「製造、卸、販売が相互信頼で結ばれた明治百店会は業界のステータスであり、誇り。業界は大きな変革期にあるが、お客様の役に立ち、必要とされる会社を目指して努力していかなければならない」と挨拶した。

 さらに賛助会員から日本精工株式会社取締役代表執行役社長の内山俊弘氏が「EV化や自動運転など大きな変化の影響を考えながら新たな道を模索していかなければならない時代になった。変化の中にも新しいチャンスをとらえ、明治産業とともに100周年、さらに次の100年に向けて琢磨し、創造し、社会に貢献し続けられる存在でありたい」と述べ、百店会と共に成長したいとの意欲を示した。

 総会後は海外からも多くの取引先を招き、謝恩懇親会が開かれた。曙ブレーキ工業株式会社代表取締役社長の信元久隆氏の音頭で祝杯をあげ、食事の後は杏里さんのスペシャルライブを楽しんだ。

 杏里さんはデビュー曲「オリビアを聴きながら」や「キャッツアイ」、「悲しみがとまらない」など多くのヒット曲を熱唱。変わらぬ歌声で感動を届けた。また2次会ではダンスパフォーマーの「EBIKEN」こと蛯名健一さんが映像を使ったユニークな演出方法でブレイクダンスなどを披露、会場を沸かせた。



 ◆良い商品をタイムリーに適正価格で

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 明治産業の2018年9月期の売上高は385億3500万円で前期比8.2%減となった。

 売上が減少したのは機械部の中国新幹線向けの部品で、主力の自動車部品販売は、85周年謝恩セールを行い全社的に営業を強化、新規市場および商材の開拓にも注力した結果、273億円となり、過去最高の売上となった。

 国内売上の約7割が明治百店会会員によるもので、竹内社長も「百店会の皆様の支えがあって国内販売が成り立っている」と改めて感謝の意を表している。

 同社は、自動車産業自体が大きく変わっていくなかでの今後の取組みとして、「顧客満足度の向上」、「時代に対応した業務のさらなる効率化」、「人材育成」、「新規事業」に注力していく。

 竹内社長は顧客満足度の向上について、「問屋の仕事の基本の基本、良い商品をタイムリーに適正価格で、ということを強化していく」との方針。「良い商品をタイムリーに適正価格で、というのは簡単そうで簡単にできないこと」と捉え、問屋の原点を見つめる。具体的には部品の優良化、新技術への対応、輸入車および大型車の部品販売を強化したい考えだ。

 また新規事業として、イギリスの高級自動車メーカー「ALVIS(アルヴィス)」の乗用車販売に乗り出す。11月16日に英国大使館で記者発表会を行った。

もともと明治産業は、1953年に明治モータース株式会社という関連会社を設立し、1963年までの10年間、アルヴィスを販売していたという歴史を持つ。

「これまでの歴史を改めて見直していくうちに過去にアルヴィスを扱っていたことが分かった。

 イギリスに渡り実際にアルヴィスの車を見て、美しい、と思った。自動車がどんどん高度化していく中、タイムトラベルしてきたかのようなアルヴィスを再導入することで、新しいクルマの楽しみ方を提供したい」と語る竹内社長。

 昨年開設したテクニカルセンター「Seiken e-Garage」で、旧車のメンテナンスも可能になり、整備の勉強や、ブランディングの研究材料としてもアルヴィスを活用したい考えだ。年内には東京・品川にショールームを開設する。

 創業85周年にあたり問屋の基本に立ち返るとともに、さらなる飛躍を求めて自動車販売という新規事業にチャレンジする明治産業。100周年の姿が楽しみだ。



一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA