1919年に創業し、自動車用や産業機器用のベルトなどを製造している三ツ星ベルト。自動車用Vリブドベルトの「Ribstar」や、ストレッチタイプベルトの「StarFit」、食品搬送用コンベヤ「ママライン」などの自社ブランドを展開している。

 国内にとどまらず、シンガポールやインドネシアなどのアジアやアメリカ、ポーランドにも生産拠点を有し、伝動ベルトの最大手メーカーの一つとして自動車ベルト市場をリードしてきた。

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 高機能、高精密、高品質な製品の提供を通して社会に貢献する」を経営基本方針として掲げる同社。スローガンを徹底するために、世界のすべての工場に掲示している。

 主力製品の自動車用ベルトは、軽自動車を含めた普通乗用車をすべてカバー。トラックやバス、トレーラーなど大型車は、高いシェアのもと幅広く対応している。

 また、自動車業界で注目されているテーマの一つが、燃費。燃費向上のために、ゴムの発熱を抑えた低フリクションロスベルトを開発。100年近い実績による知見から生み出された燃費改善アイテムとして、採用が拡大している。

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 補修部品市場向けには、11年からグレードアップ品を展開。かつては同じサイズであれば複数のエンジンに適合させていたが、近年はエンジン特性が進化してカバーしきれなくなってきたことに対応。走行中のベルトビビリ音やベルトスリップ音、エンジン振動に対する振れ、摩耗・伸びを抑えることを目的に導入され、今では優に250アイテムを超える設定がされている。

 また、ベルト長さも以前のように5㍉㍍単位では、エンジンの小型化に伴う省スペース化に対応できないため、純正品と同様に1㍉㍍単位の端数サイズ品の設定をいち早く実施。車種にフィットする製品を作ることで、顧客満足度の向上を図りシェア拡大を目指している。


ベルトの正しい扱い方の周知も徹底

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 ベルト製造後の責任も重視している同社は、近年起きている音のトラブルや、リブベルトの交換目安の変化にも対応している。

 異音が発生するトラブルで最も多い理由は、ベルトが適正な張力で張られていないこと。同社では適正張力を周知してもらうため、11年からデモカーを用意。エンジンの実物を載せ、適正な張力で張られたベルトを整備士に触ってもらうようにしている。日ごろの指の感覚で調整するときと比較を行うことにより、体感によって正しい張力を理解してもらうことが狙いだ。全国の整備工場を回りながら、整備士が集まる各種講習会や会合にも参加している。

 また、リブベルトのゴム素材変更に伴い、交換目安が変わったことの告知にも注力している。従来はCRゴムが採用されていたが、現在は耐熱・耐寒性能に優れ環境にも配慮したEPDMゴムが主流になっている。CRゴムではリブ面(山面)にひび割れ(クラック)発生が交換の目安とされてきたが、EPDMゴムは摩耗してきてもリブ面のひび割れは発生しにくい。「リブベルトの交換=リブ面のひび割れ」という従来の常識のまま判断するため、交換時期を逃し最終的にベルトの切断が発生してしまう事例も起こっている。同社では、チラシを作成し全国の顧客に周知を図っている。

 高い技術力に裏打ちされた高性能なベルトを供給し、自社のみならずベルト業界全体を考慮した啓発活動で、今後の業界の発展に寄与していく。


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地域との共生

 95年の阪神・淡路大震災で神戸事業所の工場建屋などで被害を受けた。周辺近隣の民家では火災が発生し、夜勤で出勤していた68名の従業員も消火活動にあたった。震災で地域と企業の共生の大切さを実感し、00年に神戸市中央区神戸ハーバーランド内から創業の地、同市長田区に本社を復帰。地域に根ざした企業として、従業員によるボランティア団体が年間7回のイベントを開催。地域との交流の場を広げている。また、本社屋上の三ツ星マークの鉄塔の作り直しを検討した際には、地元の住民から「地域のランドマークだから、今のままで残してほしい」という声が上がった。


会社概要

三ツ星ベルト株式会社

〈創 業〉1919年

〈代表者〉代表取締役社長 垣内一

〈神戸本社・事業所〉兵庫県神戸市長田区浜添通4-1-21

〈TEL〉078-671-5071(代)

〈東京本社〉東京都中央区日本橋2-3-4

〈四国工場〉香川県さぬき市津田町津田2893

〈綾部事業所〉京都府綾部市城山町7-1

〈URL〉http://www.mitsuboshi.co.jp/japan/

〈主な取引先〉アクセス、SPK、エンパイヤ自動車、新生商会、大洋、東海自動車、ヤマト自動車


一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA