自動車優良部品推奨制度に基づき、JAPAから推奨を受けた補修部品は約200品目にのぼる。
 各部品メーカーによる推奨製品へのこだわりと、品質維持のための取り組みを紹介する。

 カップキットをはじめ、マスターシリンダー、ブレーキパッド、キャリパーピストンなどの補修用ブレーキパーツ各種の製造・販売、さらに産業用車両や建設機械のオリジナルブレーキシステムや各種部品も手がけるミヤコ自動車工業。

 「Miyaco」ブランドとして展開する国内アフターマーケット向けには常時2000アイテムをラインアップ。

 製品は茨城県の結城事業所において開発、加工、組立まで一貫製造。OEMも手がける同社では、優良部品についても純正品と同等の管理基準・検査基準を適用し高品質の製品を供給している。


◆品揃えと即納体制の充実に注力

 補修用ブレーキパーツは、製品自体の耐久性向上などの影響もあり、交換率は長期化傾向となっている。

 同社ではこうした市場動向に対応し、近年では比較的交換頻度の高いトラック等の商用車、軽自動車などを重点的にラインアップしている。

 特に軽自動車は、これまでの規格変更により車体が大型化する一方、ブレーキについては従来通りのサイズのため、ブレーキへの負担は大きくなっている。そのためブレーキパーツの消耗も激しく比較的交換頻度も高くなっている。

 整備工場を中心とした優良市場では幅広い品揃えが重視されるため、同社は新車発売のたびに既存製品との適合を確認するとともに、補修需要が発生する前に新製品をラインアップ。毎月約10アイテム、年間140~150アイテムを新発売している。

 また営業担当者が各地の部品商を訪問し、販促活動とともに市場ニーズをはじめとした各種情報を収集。各担当者が収集した情報は毎週社内レポートにまとめられ、営業部門内で共有し、製品開発や販売施策へと活かされている。部品商からの声を集めたこれらのレポートでは、優良部品の開発だけでなく、部品検索や供給体制に対する要望も多く寄せられており、同社は部品商から提供された情報を参考に、検索精度の向上やデリバリの充実といったサービス向上にも取り組んでいる。

 特に最近は1日車検などの増加により迅速な部品供給が求められるケースが多く、整備工場からの発注の際に欠品があると、そのまま需要が純正に流れて販売機会の損失に繋がる。そのため、卸とも連携して在庫を確保するなど即納体制を整えることで、欠品の発生を防ぎ市場ニーズに対応している。

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 また路面への融雪剤使用により足回りの錆が発生しやすく、ホイールシリンダやキャリパーピストン等の需要が多い降雪地域、比較的トラック向け製品の需要が多い西日本など、それぞれの市場性・地域性にも対応した品揃えや供給体制の構築にも配慮している。


◆交換率向上を啓蒙する情報発信も

 主力製品であるカップキット、ホイールシリンダに加え、近年新たな商材として同社が注力しているのが、現在約140アイテムを展開するキャリパーピストンと、軽自動車を中心に約10アイテムを展開するスライドピン。特にキャリパーピストンは、優良品が登場して約10年と比較的新しい製品。当初は優良部品に設定があること自体があまり知られていなかったが、最近では認知も拡大。部品検索システムへの登録などが進み、製品情報が入手しやすくなったこと等も影響し、特に降雪地域を中心に需要を拡大している。

 同社は今後、ブレーキパーツを中心に関連商材までより幅広く手がけていく方針で、ブレーキフルード等のケミカル製品にもさらに注力していく考えだ。

 さらに補修市場における部品交換率向上のための啓蒙活動や情報提供も継続。主力製品のカップキットとMタッチをモチーフとしたブランドイメージキャラクター・カップちゃんとブーツ君を活用したPRや、部品商向けのニュースペーパー「ミヤコニュース」を定期的に発行し新製品情報をはじめとしたブレーキパーツに関する情報を提供。また卸が開催する勉強会等にも参加し製品説明を行っていく。

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会社概要

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ミヤコ自動車工業株式会社

〈代表者〉坂森正信

〈本社〉東京都港区西新橋2-13-6

〈結城事業所〉茨城県結城市新堤仲通り6-9

〈URL〉http://www.miyaco-brake.co.jp/



一般社団法人日本自動車部品協会 JAPA