一般社団法人日本自動車部品協会（JAPA）　理事長　青木乙彦

　明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。旧年中は弊会運営に対し多大なるご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

　さて昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことにより、行動制限が大幅に緩和され、社会経済活動が急加速で回復に向かいました。様々なイベントがリアルで行われ、国内自動車関連ではしばらく中止されていたオートサービスショーやジャパンモビリティショー（旧東京モーターショー）が開催されました。どちらも大変多くの来場者を集め、次世代モビリティや技術革新への対応に高い関心が寄せられていることを実感いたしました。

　一方、国際情勢はロシアのウクライナ侵攻の長期化、中東パレスチナ自治区ガザにおける戦闘など緊迫した状態が続いております。その影響で世界経済の状況も減速傾向にあり、不安定さが増しております。特に今後は中国経済の先行きや、米欧の物価と金融政策の行方が注目されるところです。

こうした影響を受けつつも、私たちがビジネス展開しているアフターマーケットは、国内外とも堅調な補修需要に支えられ、また各社の懸命な企業努力によって、おおむね好調な業績を維持しているようです。

　昨年は自動車整備のあり方が消費者から非常に注目された年でもありました。ユーザーに安心・安全・快適なカーライフを提供する、という私たちの基本的な役割が、大変重要であることを改めて感じました。
　ジャパンモビリティショーの内容に表れていたように、自動車産業は大変革の途にあり、自動車の次世代技術は急速に進展しています。それに伴い、本年は4年間の経過措置期間を終えて4月から特定整備認証制度が本格的に始まります。10月には指定工場を中心にＯＢＤ検査の実施が控えています。
　このようにアフターマーケットでは新たな整備制度への高度な対応や、物流の2024年問題、人材育成など非常に重要な課題を多く抱えており、近年でも特に変化の大きい年になるでしょう。
　新たなモビリティや移動サービスが増えれば増えるほど、アフターマーケットに携わる私たちの社会的役割はますます重要になってまいります。
　アフターマーケットに必要な部品を製造するメーカーと、それを販売する商社が一堂に集う団体であることが弊会の強みでございます。会員各位のお知恵を結集して、この大変革の時代をともに進んでまいりたいと存じます。どうぞ今後ともご支援とご協力をお願い申し上げます。
　ジャパンモビリティショーでは、業種を超えたコラボレーションによる新たなモビリティサービスや移動の未来像が発信され、非常に夢のある世界が描かれていました。
　アフターマーケット業界も夢を持てる業界にして、次の世代につないでいくことも私たちが今取り組むべき大事な課題です。古いしきたりや習慣にとらわれずに、まず言葉づかいを見直すなど細かいことから改善して、魅力ある業界にしていきたいと願っております。
　本年も会員同士の交流を促進し、関係官庁や関係団体の方々とも積極的に親睦を深めて情報交換や意見交換を行い、連携を一層深めてまいりたいと存じます。どうぞ本年も一層のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

　最後になりましたが本年が皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう、ますますのご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。